SUCCESS STORY ふたりのクリエイターの出会い

 

レトロポップな画風で、apolloにも数多くの作品を掲載している新進気鋭のイラストレーター、テッポー・デジャイン。氏と、京極夏彦氏や諸星大二郎氏など、著名作家の装幀を数多く手がける装幀デザイナーの坂野公一氏の二人がタッグを組み、河出書房新社の文藝賞受賞作である「おしかくさま(谷川直子著)」の装幀を担当した。

今回はお二人に対談していただき、両者がapolloを通じて知り合い、装幀の仕事に至るまでのサクセス・ストーリーを追いかけてみた。

apolloをきっかけにフェイスブックへ登録

ーテッポー・デジャイン。さんと坂野さんとのお知り合いのきっかけを教えてもらえますか?

テッポー:実は坂野さんとは、apolloを通じてお知り合いになったあと、すぐにフェイスブックにお友達登録をさせていただき、オフィスへも営業に行かせてもらいました。

ーそれは手が早いというか、行動派なんですね。

テッポー:それしかなかったというか(笑)...特に当時は、制作2、営業8くらいでしたね。今はフェイスブックだったり、ホームページだったりと会わなくても色んな方法でのセルフプロモーションがありますけど、僕は可能な限り実際にお会いしています。原画でアピールできるのも大きい。

ー坂野さんご自身はテッポー・デジャイン。さんの作品を初めて見られたのはapolloだったんですか?

坂野:そうです。

ーapollo内では、お互いにやり取りはあったんですか?

テッポー:最初は直接メッセージのやり取りはなかったかと思いますが、「お気に入り」にはよく登録していただいていました。

坂野:その後コメントを書くようになりました。とにかくインパクトの強い絵なので、目に留まるんですよね(笑)。apolloのコンテストとかにも、よく応募されてたし。今時…と言ってはなんですけど、こういう強い画風で押している人って、珍しいじゃないですか。僕はすごく好きなんです。

おしかくさま装幀

「おしかくさま」

おしかくさまという“お金の神様”を信仰している女達に出会った49歳のミナミ。先行き不安なバツイチの彼女は、その正体が気になって……“現代の神”お金を問う、文藝賞受賞作。

著・谷川 直子
1960年生まれ。53歳。兵庫県神戸市出身、現在長崎県五島市在住。筑波大学第二学群比較文化学類卒。著書として『競馬の国のアリス』や『お洋服はうれしい』といった競馬・ファッションに関するエッセイなどがある。


坂野氏、テッポー・デジャイン。氏

テッポー:営業に行くとデザイナーさんの中には「画風を変えたらいいんじゃないか」ってアドバイスしてくる人も居るんですけど…。

坂野:僕は創作作業に関して言えばイラストレーターさんや作家さんの方が上だと思っていますんで、そんなおこがましいことは言わないですよ。ただ、やはり今はこういった作風が流行ってますよ、とかこういうタイプの仕事が多いみたいです、のようなアドバイスはさせていただくことはありますけど。

テッポー:それで悩んだ時期もありましたけど、まぁ自分はこれしか描けないので(笑)。これで行くしかない、というか誰にでも好かれる絵を描くようになったら終わりだと思うんです。

坂野:僕が個人的に興味を引くイラストでも、すぐにそのテイストに合う仕事があるわけじゃないですからね。今回のお仕事でも、テッポーさんがマメにapolloへ投稿していなかったら、すぐには思い出せなかったかもしれない…。

ー普段はカバーに使用するイラストレーターさんの選定はどのように行われるんですか?

坂野:そうですね、まずメールか電話で仕事の依頼が来てから、編集者と打ち合わせが行われます。そこでキーワードをいくつか拾って、そこから簡単なイメージを構築する感じですね。今回の「おしかくさま」では、”神様”と"お金”がテーマの内容でしたので、やっぱり”ATM”と”鳥居”かなぁと。それからラフを作って、イラストレーターの選定へと作業を進めていきます。

ー今回、「おしかくさま」のカバーイラストがテッポー・デジャイン。さんに決定された経緯は?

坂野:「おしかくさま」では、他にも何人かの候補がいらしたんですが、どなたも今ひとつ、しっくりとこなくて。で、ふとapolloで何度も目にしていたテッポーさんのイラストを思い出して、もしかしたらいけるんじゃないかと思ったんですよ。一度、そう思い始めたら、「もうテッポーさんしかない!」と思うようになって、編集者に推薦したところ「この方いいですね!」と相成り、実際にお会いして打ち合わせをさせていただきました。

テッポー・デジャイン。氏

画風を変えるか悩んだ時期もあったけど、これで行こうと思うようになりました


(左)編集者との打ち合わせ後に坂野氏が描いたイメージ画。すでにこの段階で全体のイメージが固まっていたことがわかる (右)テッポー・デジャイン。氏が作成したラフ画と実際に納品されたイラスト。細かい部分での修正があったものの、すでにラフの段階でほぼ坂野氏のイメージ通りに仕上がっていたそうだ

(左)編集者との打ち合わせ後に坂野氏が描いたイメージ画。すでにこの段階で全体のイメージが固まっていたことがわかる
(右)テッポー・デジャイン。氏が作成したラフ画と実際に納品されたイラスト。細かい部分での修正があったものの、すでにラフの段階でほぼ坂野氏のイメージ通りに仕上がっていたそうだ

ーとにかく作品をマメに投稿することが大事なんですね。

坂野:そうそう。そうして存在感をアピールした方が絶対的に有利だと思います。すぐに仕事には結びつかないかもしれないけれど、いい作品や気になる作家さんは、常に引き出しにしまっていますから。

テッポー:とにかく作品のアップが簡単なのがいいですよね。ウェブは苦手だし自分のサイトの更新すら面倒だったりするのですが(笑)、apolloはすぐに投稿できるのでいい。最近では自分のサイトよりもapolloの方に新しい作品が掲載されてたり...なんてこともあります。あと、横900ピクセルという大きなサイズで表示されるのが嬉しいんですよね。画像を投稿できるサイトは他にもいくつか使っていますが、小さくなるのがもったいない。何せ【描き込み】がウリだと思うので。

ーそう言えば、テッポー・デジャイン。さんの作品は大きいですよね。いつもこのサイズで描かれているんですか?

テッポー:「おしかくさま」の原画は、写真半切(324×400ミリ)にパネル張り、仕事にもよりますが、大抵はこのサイズか写真四切(203×254ミリ)で描いています。A版やB版の縦長なサイズがどうもしっくりこないんですよね。なので、apolloへ投稿するときは一度、A4版にカラー縮小して、それからスキャンします。

坂野:やっぱり手描きの生原稿は迫力ありますよね、ドドーンと。いくつかラフの段階で描き直していただきましたけど、最終的にはイメージ以上の作品に仕上げていただいて本当に良かったと思います。

ー意外なようですが、テッポー・デジャイン。さんは装幀画のお仕事は初めてだとか。

テッポー:よく意外がられて光栄ですが、実はそうなんです。ずっと前から坂野さんのお仕事をしたいと思っていたんですけど、ようやく実現しまして。なおかつ文藝賞受賞作のような話題の本に携われたというのは、こうして夢が実現したのもapolloのおかげです(笑)。

坂野:また、今回のお仕事はapolloを通じて知り合った方だったというのが、いい距離感を生み出していた気がします。作品は投稿でいつも拝見していたし、実際にお会いしていたので、安心感がありましたね。

坂野 公一氏

いい作品や気になる作家さんは、常に引き出しにしまっています


投稿し続けていれば、いつか仕事へ

ーそう言えば、テッポー・デジャイン。さんには、さっそく次のカバーイラストのお仕事がきているとか?

テッポー:そうなんですよ。今朝メールチェックしたら、他の出版社から「おしかくさま」を見てご連絡させていただきましたって内容のメールが来ていて、もしかしたら坂野さんがご紹介してくださったのかなと思ったんですが、違ったようです(笑)。

坂野:編集者の方は本屋さんを周って探すことが多いようですよ。気になるカバーを見つけたら奥付を見て、連絡するとか。恐らく「おしかくさま」の奥付を見て、連絡してきたんでしょうね。

テッポー:だとすると嬉しいですね。

ー反応がないからと言って、諦めたりせずに投稿し続けていれば、いつか仕事へ結びつくかもしれないと言うことですね。

坂野:その可能性はもちろんあります。あとは、どんな形であれ「仕事」として実績を作ることですよね。そうすればこちらも「おしかくさま」でカバーイラストを担当したテッポー・デジャイン。さんですとお薦めすることができますから。

ーますます忙しくなるでしょうけど、apolloへの投稿は是非続けてください!

テッポー:はい。是非、がんばります!

常に良質な作品を制作することはもちろんのこと、実際に仕事へと繋げるには、時として"運”も必要だ。しかし、行動を起こすことでチャンスの確率は無限に広がる。コツコツと作品を作り、投稿を繰り返してきたテッポー・デジャイン。さんが掴んだ大きなチャンスは見事な作品として評価されるに至ったわけだ。apolloは、今後も様々な形でチャンスの場を提供し続けることによって、より多くのクリエイターに成功してもらいたいと願っている。

apolloでイラストを確認


「おしかくさま」の著者 谷川直子氏が語る、当時の思い出

ー装幀デザイン・イラストを初めてご覧になった時のご感想をお聞かせください。

「すごい! この感じ、この感じ。なんで私のイメージしてるものをわかってくれちゃってるんだろう」って感動しました。「おしかくさま」の文字の感じと正面から鳥居とあやしげなお社を見ている感じが、ドンピシャで、ものすごくうれしかったです。一目見て気に入りました。じつはこの後、テッポーさんから原画をプレゼントされたんです。もう家宝です。どうもありがとうございました!

ーテッポー・デジャイン。さんのイラストに対するイメージはいかがでしょうか。

「神は細部に宿る」という言葉がぴったりだと思います。すみずみまで楽しめて、あったかい。ポップなのにどこかなつかしくて、「じゃぱん」のイメージです。たくさんのいろんな色がケンカせずに一堂に会しているところが、すごく日本的。あと、自分が緑好きなせいか、とてもグリーンがきれいだなと感じます。ずっと見ていても飽きない、とにかく不思議な絵です!

文藝賞授賞パーティーに出席した3人

文藝賞授賞パーティーに出席した3人

PROFILE

テッポー・デジャイン。(イラストレーター)

テッポー・デジャイン。(イラストレーター)

1976年生まれ埼玉県出身。東京都在住。桑沢デザイン研究所卒。イラストレーターズ通信会員。線画+水彩を用い、レトロモチーフや動物などの描写を得意とする。倉本美津留氏【明日のカルタ】イラスト担当。第1回東京装画賞2012「銀の本賞」受賞。

web:http://www.teppodejine.com/
Twitter:https://twitter.com/twitteppo
Facebook: http://www.facebook.com/teppo.de.jine

  坂野 公一(グラフィックデザイナー)

坂野 公一(グラフィックデザイナー)

1970年生まれ神戸市出身。神戸芸術工科大学を卒業後にソニー株式会社へ入社。製品マニュアルのエディトリアルデザインを担当する。ソニー退社後はグラフィックデザイナーの杉浦康平氏に師事し、書籍の装丁デザインを学ぶ。独立後は、作家京極夏彦氏の単行本カバーデザインを担当するなど、グラフィックデザイナーとして活躍している。

web:http://www.welle.jp/
Twitter:http://twitter.com/sakaponta
Facebook: http://www.facebook.com/pages/welle-design/122472607838241

テッポー・デジャイン。さんの作品はこちら

 

koichi sakanoさんの作品はこちら

撮影協力

K.FOREST/カメラマン

web:http://www.nasc.jp/info_photographer.html
Facebook:http://www.facebook.com/hayashi.kazuhiro.94

K.FORESTさんの作品はこちら

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